累進配当銘柄は増配する?20銘柄を調べて分かったこと【2026年8月】

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結論|今回追跡した20銘柄では、17銘柄が増配。特に累進配当銘柄は10銘柄中9銘柄が増配しています。

前回の記事では、累進配当・連続増配・非減配に注目して20銘柄を紹介しました。今回は、その後の配当状況を追跡し、前期実績と今期予想の配当額・配当性向を比較します。

数字を確認すると、増配していても配当性向や記念配当の有無などに違いがありました。この記事では、20銘柄を追跡して分かった特徴と、今回の確認を通じて私が銘柄選定で意識したいと感じた点を整理します。

【この記事で整理していること】
・ 20銘柄の配当額と配当性向の変化
・ 追跡して分かった配当の特徴
・ 累進配当銘柄を見るときに、私が確認したいポイント

※本記事は、筆者が公開情報をもとに20銘柄の配当状況を整理したものです。銘柄の購入を推奨するものではなく、投資判断はご自身でご検討ください。

20銘柄の配当額と配当性向を確認

前回紹介した20銘柄について、前期実績と今期予想の配当額、配当性向を確認しました。

今回は、累進配当10銘柄、連続増配5銘柄、非減配5銘柄に分けています。

■前回記事では累進配当銘柄として紹介した銘柄

コード銘柄【配当額】
前期実績→今期予想
【配当性向】
前期実績→今期予想
備考
1605INPEX100→11230.2%→25.5%今期:前回予想108円から112円に増額
1870矢作建設100→11050.8%→51.1%今期:前回予想100円から110円に増額
2060フィード・ワン45.5→5227.3%→30.6%今期:5円記念配当あり
2153E・Jホールディングス69→8236.4%→39.8%今期:10円記念配当あり
4528小野薬品80→8053.9%→52.9%
5911横河ブリッジHD120→13055%→62%
8031三井物産115→14039.5%→43.1%
8058三菱商事110→12552.2%→41.6%
8309三井住友トラストグループ185→19040.9%→34.5%
8316三井住友フィナンシャルグループ157→18038%→40%

  ■前回記事では連続増配銘柄として紹介した銘柄

コード銘柄【配当額】
前期実績→今期予想
【配当性向】
前期実績→今期予想
備考
1928積水ハウス144→14540.2%→43.1%
3003ヒューリック62→6741.1%→42%
8593三菱HCキャピタル46→5140.7%→45.7%
8725MS&ADインシュアランスグループホールディングス160→17046.6%→58%特別配当:前期35円/今期30円あり
9433KDDI 80→8443.6%→42.8%

■前回記事では非減配銘柄として紹介した銘柄

コード銘柄【配当額】
前期実績→今期予想
【配当性向】
前期実績→今期予想
備考
1802大林組88→9435.3%→41.2%
3431宮地エンジニアリング 97.5→7579.2%→98.5%
4042東ソー100→10075.5%→52.2%
8306三菱UFJフィナンシャル・グループ86→9640.3%→40.1%
8591オリックス156.1→187.3639%→未公表

※配当額・配当性向は、各社が公表している決算資料をもとに筆者が整理しています。配当性向は、決算資料に記載された数値をそのまま使用しているものに加え、1株当たり当期利益と1株当たり配当金から筆者が計算したものがあります。今期予想は、今後の決算発表などによって変更される可能性があります。

20銘柄を実際に追跡すると、17銘柄が増配していました。ただ、増配額だけを見ると分からない違いもありました。配当性向の動きや記念配当の有無、過去の配当実績との違いです。ここでは、今回の追跡で分かったことを4つに整理します。

配当を追跡して分かった4つのこと

累進配当でも、毎年増配するとは限らない

今回確認した累進配当10銘柄では、9銘柄が増配し、1銘柄が配当を維持していました。小野薬品は前期と今期の配当がともに80円で、増配とはなっていません。

累進配当という配当方針でも、今回のように配当を維持するケースがあります。累進配当という特徴だけで増配を判断するのではなく、実際の配当額も確認したいと思いました。

増配していても、配当性向の動きは異なる

配当額が増えている銘柄でも、配当性向には違いがありました。

例えばINPEXは100円から112円へ増配していますが、配当性向は30.2%から25.5%へ低下しています。三菱商事も110円から125円へ増配する一方、配当性向は52.2%から41.6%へ低下しています。

一方、横河ブリッジHDは120円から130円への増配に対して、配当性向は55%から62%へ上昇しています。

このように、同じ増配でも、利益の伸びと配当の伸びの関係は同じではありません。

配当性向が上昇している銘柄では、今後の業績や利益の推移も確認したいところです。反対に、配当性向が低下している場合は、増配していても利益の伸びがそれ以上に大きかったことが分かります。ただし、その理由が一時的な利益増加によるものなのか、継続的な利益成長によるものなのかは、業績推移も合わせて確認したいところです。

また、宮地エンジニアリングでは、配当が減少する一方で配当性向は上昇しています。利益が減少する中でも配当の減少幅を抑えたことで、配当性向が高くなったと見ることができます。

今回の確認を通じて、私は配当額だけでなく、利益とのバランスも見るようにしたいと改めて感じました。

記念配当を含む増配は、通常配当も確認したい

年間配当が増えていても、そのすべてが通常の配当による増加とは限りません。

今回では、フィード・ワンに5円、E・Jホールディングスに10円の記念配当が含まれています。

フィード・ワンは年間配当で45.5円から52円へ増えていますが、記念配当を除く通常配当は45.5円から47円です。

E・Jホールディングスも69円から82円への増配ですが、10円の記念配当を含んでいるため、通常配当では69円から72円となります。

記念配当や特別配当があること自体を悪いものと考える必要はありません。ただ、年間配当だけを比較すると、通常の配当水準がどの程度変化したのか分かりにくくなります。

そのため私は、増配額を見るときには、記念配当や特別配当を含んでいるかも確認したいと考えています。企業が通常の配当水準を引き上げているのかをより把握しやすくなります。

過去の非減配実績だけでは、今後の配当を判断しない

今回、特に数字の変化が大きかったのが宮地エンジニアリングです。

前回の記事では、過去の配当実績から「非減配銘柄」として紹介しました。その後公表された今期予想では、配当が97.5円から75円へ減少しています。一方、配当性向は79.2%から98.5%へ上昇しました。

利益が減少する中でも配当の減少幅を抑えたことで、利益に対する配当の割合が大きくなったと考えられます。

この結果から、過去に非減配だったという実績だけで、今後の配当が維持されるとは判断できないと感じました。過去の配当実績は参考にしつつ、今後については、業績や利益の推移も合わせて確認したいと改めて感じました。

今回追跡した累進配当銘柄では、実際に増配した企業が多くありました。では、そもそもどのような累進配当銘柄があるのか。私が保有・監視している日本株20銘柄を、累進配当・連続増配・非減配に分けて整理しています。
▶︎【2026年版】日本株の累進配当20銘柄|減配しにくい高配当株ポートフォリオ公開

累進配当銘柄でも、自分の銘柄選定基準で確認したい

今回20銘柄の配当額と配当性向を追跡してみて、私は「累進配当」という配当方針も、銘柄を探す際の一つの材料として見るのはよいと考えています。

一方で、同じ累進配当銘柄でも、配当性向の変化や記念配当の有無などには違いがあります。

そのため、私自身は累進配当という言葉だけを見るのではなく、これまで使ってきた銘柄選定基準に沿って確認しています。私の場合、過去10年程度の業績推移を確認し、成長性、収益性、安定性、配当政策の4つを見ています。配当政策では、これまでの配当額の推移や配当性向などを確認しています。

実は昨年、私は保有銘柄を増やすことに集中し、一時は約100銘柄まで保有していました。今回あらためて20銘柄を一つずつ確認してみると、「どのような配当方針なのか」だけでなく、「実際に配当がどう変化しているのか」「その配当を利益がどう支えているのか」まで確認することの大切さを再認識しました。

私が普段どのような基準で銘柄を選んでいるのか、成長性・収益性・安定性・配当政策の4つの視点から整理しています。「累進配当という特徴だけでなく、ほかに何を見て銘柄を選べばいいのか知りたい」という方は、こちらの記事も参考にしてみてください。

まとめ|累進配当だけで判断しない

今回20銘柄を追跡すると、17銘柄が増配し、累進配当銘柄では10銘柄中9銘柄が増配していました。

一方で、増配していても配当性向の動きは異なり、記念配当を含む銘柄もありました。また、前回「非減配銘柄」として紹介した宮地エンジニアリングでは、今回の今期予想で配当が減少しています。

今回の追跡で私が改めて感じたのは、累進配当という配当方針だけでなく、実際の配当額や配当性向、業績まで確認することの大切さです。今後も、こうした数字を自分の銘柄選定基準に照らしながら確認していきたいと思います。

■注意事項
※本記事の内容は、筆者個人の投資経験や考え方をもとにしたものであり、特定の銘柄の購入を推奨するものではありません。配当額や業績などの数値は作成時点の情報であり、今後変更される可能性があります。投資判断は最新の情報をご確認のうえ、ご自身の判断でお願いします。

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