【実体験】高配当株の見方|安定性と配当政策はこの基準で見ています

配当投資

結論|安定性と配当政策は、「崩れにくさ」と「無理のなさ」で見ています。

私自身、高配当株を調べ始めた頃は、配当利回りの高さを気にしていました。

しかし、高利回りの銘柄を調べる中で、「この配当は今後も続けられるのか」と疑問を持つことがありました。

そこから現在は、配当継続の可能性だけではなく、企業そのものが長期保有に向いている状態かを見るために、成長性・収益性に加えて、安定性と配当政策も確認するようにしています。

【この記事で整理していること】
・自己資本比率、現金、有利子負債から見る安定性
・配当実績、配当性向、配当方針から見る継続性
・4つの軸をもとにした最終的な銘柄判断の考え方

※本記事では、筆者が高配当株を選ぶ際に確認している考え方や判断基準を紹介しています。特定の銘柄の購入や売却を推奨するものではありません。投資判断は、ご自身の資産状況やリスク許容度を踏まえて行ってください。

「結局どの銘柄を選べばいいのか分からない…」
そんな方は、まず全体の考え方から整理するのがおすすめです。
高配当株の選び方を4つの基準でシンプルにまとめています。
初心者の方でも、迷いを減らして銘柄選定ができる内容です。
【初心者向け】高配当株の選び方|4つの基準で銘柄選定をシンプルに

高配当株で失敗しやすい「安定性・配当」の落とし穴

高配当株を探していると、まず目に入るのが「配当利回り」ではないでしょうか。
利回りが高い銘柄を見ると、「効率よく配当を受け取れるのでは」と感じやすくなります。

私自身も投資を始めた頃は、利回りの高さを優先して銘柄を見ることがありました。
しかし調べていく中で、利回りが高い理由は必ずしも良いことだけではないと感じるようになりました。
配当利回りは、配当額だけではなく株価によっても変化します。
そのため、業績や将来への不安から株価が下落している場合でも、数字上は高配当に見えることがあります。

一見すると魅力的な銘柄でも、

  • 利益が減っている
  • 借入負担が大きい
  • 配当を維持する余力が少ない

といった状態であれば、将来的に減配や株価下落につながる可能性があります。
もちろん、高配当株すべてに問題があるわけではありません。

ただ、長期で配当を受け取りたいと考えるなら、「今の利回り」だけではなく、「今後も無理なく続けられるか」という視点も必要だと考えています。

そこで私は現在、高配当株を見るときに、

  • 成長性
  • 収益性
  • 安定性
  • 配当政策

の4つの軸で確認しています。

この後は、その中でも配当を長く受け取るために意識している「安定性」と「配当政策」について、私自身の判断基準を整理していきます。

安定性は「崩れにくい状態か」をどう見ているか

私が安定性を見る目的は、配当の原資となる利益を今後も生み続けられる状態かを確認するためです。

高配当投資では、一時的に高い利益を出している企業よりも、安定して利益を生み続けられる企業の方が、長期保有では安心材料になると考えています。

そのため私は、財務面を見るときに以下の3点を確認しています。

  • 自己資本比率
  • 現金(手元資金)の推移
  • 有利子負債の状況

目的は「数字が高い会社を探すこと」ではありません。

  • 借入に頼りすぎていないか。
  • 不況時にも資金繰りに余裕があるか。
  • 配当を維持する余力が残っているか。

こうした点を確認するために見ています。

自己資本比率

私が自己資本比率を見る理由は、業績が悪化した時でも、自力で事業を継続できる余力があるかを確認するためです。私の場合、40%以上をひとつの目安として確認しています。

自己資本比率が高い企業は、借入への依存度が低く、景気変動への耐性がある可能性があります。ただ、個人的には、この数字が高いだけで安心できるとは考えていません。利益を社内に多く残していても、成長投資に十分活用できていなければ、長期保有の判断材料としては不十分だと考えています。

一方で、自己資本比率が低い企業は、成長投資を積極的に行っているケースもありますが、借入への依存度が高く、景気悪化時に利益や資金繰りへ影響を受けやすい場合もあります。その結果、配当方針にも影響する可能性があるため、低すぎないかも確認しています。

私が40%を目安としているのは、これまで企業分析を続ける中で、財務面で大きな不安を感じる企業が比較的少ない水準だと考えているためです。

ただし、業種やビジネスモデルによって適正水準は異なるため、この数字だけで判断することはありません。私は過去10年程度の推移や他の財務指標と合わせて確認しています。

現金・有利子負債比率

高配当株では、利益だけではなく「会社に現金が残っているか」も確認しています。
手元資金については、現金が長期的に増加傾向にあるかを確認しています。

私自身、企業分析をする際は、利益が出ているかだけを見るのではなく、黒字でも資金繰りが悪化するケースがあるため、利益が実際に現金として残っているかも意識するようになりました。

そのため、利益だけではなく、実際に使える資金が蓄積されているかを見るようにしています。
また、有利子負債については、返済負担が重くなっていないかを確認しています。

私の場合、有利子負債比率100%以下をひとつの目安にしています。100%以下を目安としているのは、返済負担が利益を圧迫していないかをシンプルに判断しやすいと考えているためです。
ただし、不動産業やリース業など、事業モデル上借入を活用する企業もあります。
そのため、この数字だけで判断せず、同業他社との比較や過去からの改善傾向も含めて確認しています。

最終的には、

  • 自己資本比率が大きく崩れていない
  • 現金が安定している
  • 借入負担が過度ではない

といった点を確認し、長期で保有できる状態かを判断しています。

配当政策は「無理のない配当を続けられるか」を見ている

安定性では、会社の財務面から「崩れにくい状態か」を確認しました。
一方で配当政策を見るとき、私は「現在の配当が無理のない形で続けられるか」を意識しています。

高配当株では、配当利回りが高い銘柄ほど魅力的に見えることがあります。
しかし、その配当が利益や事業の成長に対して負担になっている場合、将来的に減配につながる可能性もあります。

そのため私は、配当額の大きさだけではなく、以下の3点を確認しています。

  • 過去の配当実績
  • 配当性向
  • 配当方針(累進配当など)

配当実績

過去の配当推移では、

  • 頻繁に減配していないか
  • 無配になった期間がないか
  • 長期的に維持または増配傾向があるか

を確認しています。

特に、短期間だけを見ると、業績好調な時期だけを切り取って判断してしまう可能性があるためです。10年程度の期間で見て、一時的な業績ではなく企業の配当姿勢を確認するようにしています。

配当性向

私は配当性向を、「利益に対して無理のない配当を行っているか」を確認するための指標として見ています。目安としているのは30~60%程度です。

配当性向が高い企業は、配当金が多い点は魅力に感じます。ただ、高すぎる場合は、利益に対して配当に無理をしていないかが気になります。利益が減少した際に、配当を維持することが難しくなる可能性があるためです。そのため、私は配当性向が高ければ良いとは考えていません。

一方で、配当性向が低い企業は、利益を成長投資や財務強化に回しているケースもあります。そのため、配当性向が低いことだけで判断することもありません。

私が30~60%を目安としているのは、企業分析を続ける中で、さまざまな企業の配当性向や他の投資家の考え方も参考にしながら、自分なりに「無理なく配当を継続しやすい水準」と考えるようになったためです。

もちろん、この数字だけで判断することはありません。業種や企業の成長段階によって適正な配当性向は異なるため、利益の推移や財務状況、配当実績など他の指標と合わせて確認しています。

私にとって大切なのは、現在の利益水準に対して無理のない配当になっているか、そして今後も配当を継続できる余力があるかを確認することです。

配当方針

累進配当など、株主還元方針を明確にしている企業もあります。私はこうした方針を、会社が株主還元をどのように考えているかを見る材料として確認しています。
個人的には、決算説明資料や中期経営計画も確認し、「累進配当」「DOE採用」など、会社がどのような株主還元を重視しているかも合わせて見るようにしています。ただし、方針があるからといって必ず配当が維持されるわけではありません。

業績悪化や事業環境の変化によって、配当方針が変更される可能性もあります。
そのため私は、配当政策だけで判断せず、

  • 成長性
  • 収益性
  • 安定性
  • 配当政策

の4つを合わせて、長期で保有できるかを考えるようにしています。

▶︎実際にどのような基準で銘柄を選び、どんな結果になっているのかもまとめています。
配当6万円までに必要だった投資額と実例
実際に保有している高配当株
配当金の多い銘柄の傾向

4つの軸をもとに、最終的な銘柄選びの考え方

ここまで、私が高配当株を見るときに確認している4つの軸について整理しました。

  • 成長性(売上・営業CF)
  • 収益性(営業利益率・EPS)
  • 安定性(自己資本比率・現金・負債)
  • 配当政策(配当実績・配当性向)

以前は、1つでも気になる指標がある銘柄は避けるべきだと考えていました。
しかし、実際に保有銘柄を見直す中で、すべての条件を満たす企業は少なく、条件だけで絞り込むとポートフォリオ全体のバランスを取ることが難しいと感じるようになりました。

そのため現在は、すべての指標を満たす銘柄を探すのではなく、弱点を理解したうえで長期保有できるかを判断するようにしています。

私が確認している流れは以下の通りです。
① 大きな不安要素がないか確認する
まず見るのは、長期保有するうえで大きなリスクがないかです。
例えば、
・業績が長期的に悪化している
・財務状態が大きく崩れている
・配当が利益に対して無理な水準になっている
といった点があれば、慎重に判断します。

高配当だからという理由だけで決めるのではなく、将来も保有し続けられる状態かを確認しています。

② 弱い部分を理解したうえで全体を見る
実際の銘柄選びでは、すべてが理想通りになるとは限りません。
実際に銘柄を確認していると、すべての指標が理想的な企業ばかりではありません。

例えば、営業CFが一時的に弱い場合でも、売上や利益の推移、財務状況、配当実績を合わせて確認し、長期保有できる状態かを判断しています。

その場合でも、
・売上や利益が安定している
・財務面に大きな問題がない
・配当実績が長期で安定している
など、他の部分で補えているかを確認します。

重要なのは、弱点がない銘柄を探すことではなく、その弱点を理解したうえで、自分の投資方針に合うかを判断することだと考えています。

③ 長期で持ち続けられるかを考える
高配当株投資では、購入時だけでなく、その後も保有し続けられるかが大切になります。
株価が下落した時や業績に変化があった時でも、「なぜこの銘柄を持っているのか」を説明できる状態にしておくことで、短期的な値動きに振り回されにくくなると感じています。

私にとって4つの軸は、良い銘柄を探すためのチェックリストではなく、購入後も保有理由を説明できる状態にするための確認項目です。高配当株投資では、高い配当を受け取れるかだけではなく、その配当を支える企業の状態を見ることが大切だと私は考えています。

■4つの軸を使った実際の判断例
一例として、私が購入した積水ハウス(1928)では、購入時に以下のような点を確認しました(過去10年程度の推移をもとに判断)。

  • 成長性:売上は増加傾向、営業CFは凹凸があるものの横ばい
  • 収益性:EPSは増加傾向、営業利益率は横ばい
  • 安定性:自己資本比率は50%前後、現金は増加傾向、有利子負債比率は100%以下
  • 配当政策:10年間非減配、配当性向は40%前後

営業CFだけを見ると、右肩上がりではありませんでした。そのため最初は気になりましたが、過去に営業CFが赤字になった年はなく、IR資料も確認したところ、国内外での土地取得や住宅建設など将来の成長に向けた投資が影響していることが分かりました。

そのため私は、「営業CFだけで判断するのではなく、売上や利益、財務状況、配当実績も合わせて見れば、長期保有を検討できる状態だ」と判断しました。

このように、私は営業CFだけを見るのではなく、他の3つの軸も合わせて確認しました。
一つの指標だけでは判断が難しい場合でも、「なぜその数字になっているのか」をIR資料などで確認すると、判断しやすくなると感じています。

私自身、高配当株を見るときは、利回りだけではなく「配当を支える企業の状態」を確認することを意識しています。
4つの軸で整理しておくことで、自分なりに納得して長期保有できる銘柄を選びやすくなりました。

今回は安定性と配当政策を中心に整理しましたが、私が銘柄を見る時は、最初に確認する成長性や収益性も同じように重視しています。
【実体験】高配当株の見方|成長性と収益性はこの基準で見ています

ここまでの基準で、私がこの4つの基準で選び、現在も保有している銘柄はこちらで公開しています。実際にどの銘柄を選んでいるのかは、以下でまとめています。
実際に保有している高配当株(累進配当含む)
具体的なイメージを持ちたい方は、参考になる部分があると思います。

■データ出典・注意事項
※本記事は、筆者自身の投資経験や考え方をもとに、高配当株を選ぶ際の確認ポイントを整理したものです。
※紹介している指標や判断基準は、銘柄選びを考えるうえでの一つの参考情報であり、将来の株価上昇や配当継続を保証するものではありません。
※株式投資には、株価下落や減配、元本割れなどのリスクがあります。
※投資を行う際は、ご自身で企業情報や財務状況を確認し、納得したうえで判断してください。

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