結論|安定性と配当政策は、「崩れにくさ」と「無理のなさ」という視点で見ています。
高配当株は利回りの高さに目が行きがちですが、その判断だけでは不十分な場合もあります。実際には「続けられるかどうか」が重要だと感じています。
※本記事は筆者の投資経験をもとにした考え方の整理であり、特定の銘柄や投資手法を推奨するものではありません。
高配当株を選ぶとき、「利回りは高いけど大丈夫だろうか」と迷うことはないでしょうか。
私自身も、利回り重視で選び不安になった経験があります。
現在は、成長性・収益性も含めた4つの軸で見つつ、
特に「安定性」と「配当政策」を重視して判断しています。
本記事では、次のポイントを整理しています。
・安定性(自己資本比率・現金・負債)
・配当政策(減配リスク・配当性向)
・4つの軸での判断の進め方
不安を減らし、自分なりの判断基準を持つための参考になればと思います。
「結局どの銘柄を選べばいいのか分からない…」
そんな方は、まず全体の考え方から整理するのがおすすめです。
高配当株の選び方を4つの基準でシンプルにまとめています。
初心者の方でも、迷いを減らして銘柄選定ができる内容です。
▶【初心者向け】高配当株の選び方|4つの基準で銘柄選定をシンプルに
高配当株で失敗しやすい「安定性・配当」の落とし穴
高配当株を調べていると、
「利回りが高い=良い銘柄」と感じてしまいがちです。
ただ、ここに落とし穴があります。
利回りの高さだけでは、「安心して持てるか」は判断しにくいです。
実際、私も最初は利回りを優先して銘柄を選び、
あとから「借入が多いけど大丈夫かな?」と不安になった経験があります。
利回りだけで選ぶと危険な理由
配当利回りは「配当額 ÷ 株価」で決まります。
つまり、利回りが高くなる理由は大きく2つです。
- 業績が安定していて配当を出せている
- 株価下落で利回りだけ高く見えている
注意したいのは後者です。
株価が下がっている企業は、将来への不安が織り込まれている可能性があります。
その状態で配当だけを見ると、「高配当=お得」に見えてしまいます。
ただ実際には、
減配や株価下落が重なることで、配当以上に資産が減るケースもあります。。
減配が起きる本当の原因
では、なぜ減配が起きるのか。
シンプルにいうと、「配当を出し続ける余力がなくなるため」です。
例えば、
- 利益が減る
- 借入負担が増える
- 手元資金が不足する
このような状態になると、配当の維持が難しくなります。
つまり、減配は突然起きるというより、
事前にいくつかの兆候が見えることが多いです。
ここで重要なのが次の2点です。
- 安定性:会社が崩れにくい状態か
- 配当政策:無理のない配当か
この2つを見ておくことで、
減配リスクのある銘柄を事前に気づきやすくなると考えています。
安定性は「崩れないか」をどう見ているか
安定性を見るときは、
その会社が長く続けられる状態か(崩れにくいか)を意識しています。
高配当投資では、一時的な利益よりも、
配当を継続できるかどうかの方が重要になると考えています。
そのため私は、「数字の高さ」だけでなく、
“無理のない状態か”という視点で見るようにしています。
具体的には、次の3つを確認しています。
- 自己資本比率
- 現金(手元資金)
- 有利子負債
この3つをもとに、「崩れにくさ」を大まかに判断しています。
自己資本比率は「借りすぎていないか」を見る
自己資本比率は、会社の資産のうち、
どれくらいが自己資金かを示す指標です。
■見る目安
・基本は40%以上
・10年の推移で大きく崩れていないこと
※一時的に40%を下回る年があっても、直近でなければ過度には気にしていません
■見方
「借入に頼りすぎていないか」をシンプルに見ます。
・40%以上 → ひとつの目安として安定性は比較的問題ないと見ています
・40%未満 → 借入依存がやや高い可能性があります
■なぜ見るのか
借入が多い企業は、利息の支払い負担が増えます。
その結果、景気が悪化したときに資金繰りが厳しくなる可能性があります。
■補足(重要)
自己資本比率が高くても、必ずしも安心とは限りません。
利益を内部にため込みすぎていて、成長投資に十分回せていない可能性もあるためです。
企業は、
設備投資・新規事業・人材投資などに資金を使って成長します。
そのため、
「資金をためているだけになっていないか」という視点もあわせて見ています。
現金は「すぐ使えるお金があるか」を見る
現金・現金同等物は、会社がすぐに使えるお金です。
■見る目安
・基本は黒字であること
・10年の長期で右肩上がりの傾向にあること
を参考にしています。
■見方
「必要なときに支払えるか」という視点で見ます。
・増加 → 資金に余裕がある可能性
・減少 → 資金繰りに注意が必要な可能性
■なぜ見るのか
企業は黒字でも資金が不足すると支払いができなくなることがあります。
いわゆる「黒字倒産」と呼ばれる状態です。
さらに、企業が成長すると取引規模や固定費も大きくなります。
その分、必要な手元資金も増えていきます。
そのため私は、
現金が増えているかどうかもひとつの参考にしています。
■補足
売上の成長に対して現金も増えているかをあわせて確認すると、
無理のない資金管理ができているかを見やすくなります。
有利子負債は「返済に耐えられるか」を見る
有利子負債は、利息をつけて返済する必要がある借入です。
■見る目安
・有利子負債比率100%以下
・右肩下がりの傾向
を参考にしています
■見方
返済負担が重すぎないかを意識して見ています。
・100%以下 → ひとつの目安として許容範囲と考えています
・100%超 → 借入依存がやや高い可能性があります
■なぜ見るのか
借入が多すぎると、景気が悪化したときにリスクが高まります。
場合によっては、配当よりも事業継続のための資金が優先される可能性があります。
■補足(重要)
不動産やリース企業などは、もともと借入が多いビジネスモデルです。
そのため、同業他社と比較しながら判断するようにしています。
配当政策は「無理していないか」をどう見ているか
配当政策を見るときは、
その配当が無理なく続けられる状態かどうかを意識しています。
高配当株では、利回りの高さよりも、
「継続して受け取れるか」が重要になると考えています。
そのため私は、
配当の“高さ”ではなく、“続けやすさ”を重視しています。
具体的には、次の3つを目安として見ています。
- 配当実績(減配・無配の有無)
- 配当性向
- 累進配当の方針
この3つをもとに、「配当の安定性」を大まかに判断しています。
配当実績は「減配していないか」を見る
配当金は、実際に受け取るリターンです。
そのため私は、過去の配当の流れをひとつの参考にしています。
■見る目安
・頻繁に減配していないか
・無配になっていないか
を参考にしています
過去実績が安定している企業は、
ひとつの安心材料として見ています。
一方で、減配があっても
その後に安定しているケースもあるため、
10年程度の長期で確認するようにしています。
- 減配せず維持または増配しているか
- 配当額が大きくブレていないか
こうした点を参考にしています。
また、景気が悪い時期の対応も見ています。
例えばコロナ禍では、企業ごとに対応が分かれました。
- 減配した企業
- 配当を維持した企業
- 増配した企業
この違いは、その企業の配当方針を考えるうえで参考になります。
特に、業績が落ちても配当を維持している企業は、
株主還元への意識が比較的強い可能性があると感じています。
配当性向は「払いすぎていないか」を見る
配当性向は、利益のうちどれくらいを配当に回しているかを示す指標です。
■見る目安
・30~60%程度
をひとつの参考にしています
■見方
・高すぎる場合 → 配当負担が大きい可能性
・低すぎる場合 → 将来的に増配余地がある可能性
私は「無理のない水準かどうか」を中心に見ています。
配当性向が高い状態は、
利益の多くを配当に回していることになります。
そのため、業績が悪化した場合に、
減配につながる可能性もあると考えています。
一方で、配当性向が低い企業は、
将来的に増配余地があるケースもあります。
※業種によって適正水準は異なるため、
あくまでひとつの目安として見ています。
累進配当は「会社の意思」を見る
累進配当とは、配当を減らさず、
維持または増配を目指す方針のことです。
私はこの方針を、
企業の株主還元に対する姿勢として参考にしています。
■見る目安
・累進配当を公表しているか
ただし、累進配当を掲げていても、
業績が大きく悪化した場合には減配となる可能性もあります。
そのため私は、
安定性(前のパート)とあわせて総合的に判断しています。
▶︎実際にどのような基準で銘柄を選び、どんな結果になっているのかもまとめています。
・配当6万円までに必要だった投資額と実例
・実際に保有している高配当株
・配当金の多い銘柄の傾向
4つの軸をもとに、最終的な銘柄選びの考え方
ここまでで、高配当株を見るための4つの軸が揃いました。
- 成長性(売上・営業CF)
- 収益性(営業利益率・EPS)
- 安定性(自己資本比率・現金・負債)
- 配当政策(配当実績・配当性向)
私は、この4つを組み合わせて銘柄を見るようにしています。
ただし前提として、
すべての条件を満たす銘柄は多くありません。
実際に探していると、
「もう少し良い銘柄があるのでは」と感じてしまい、
なかなか投資に踏み切れなかった時期もありました。
成長性や収益性は、実際にどう見ればいいのか迷う方も多いと思います。
私自身がどこを見て判断しているかは、以下の記事で具体例つきで整理しています。
▶【実体験】高配当株の見方|成長性と収益性はこの基準で見ています
■迷ったときの判断の進め方
今は少し考え方が変わっていて、
“完璧さ”ではなく“無理のなさ”を重視しています。
具体的には、次の流れで整理しています。
① 大きな不安がないかを見る
→ どれか1つでも大きく崩れている場合は見送ることが多いです
② 全体のバランスを見る
→ 一部に弱さがあっても、他で補えているかを確認します
③ 納得できるかで判断する
→ 最終的には、自分が長期で持てるかどうかを基準にしています
例えば実際の投資でも、
- 営業CFが一時的に弱い
- 配当性向がやや高い
といったケースはあります。
ただ、
- 売上は安定している
- 自己資本比率は大きく問題ない水準
- 配当実績は安定している
このように全体で見て大きな違和感がなければ、
投資判断に進むこともあります。
正直、この判断は今でも迷うことがあります。
ただ、自分なりの基準があることで、
「どこが不安なのか」を整理できるようになりました。
その結果、
納得して長期保有できる銘柄が増えてきたように感じています。
ここまでの基準で、
実際にどの銘柄を選んでいるのかは、以下でまとめています。
・実際に保有している高配当株(累進配当含む)
具体的なイメージを持ちたい方は、参考になる部分があると思います。
■データ出典・注意事項
※本記事は一般的な情報および筆者の実体験をもとに作成していますが、内容の正確性や完全性を保証するものではありません。
※株式投資には価格変動などのリスクがあり、元本割れとなる可能性があります。
※最終的な投資判断は、ご自身の判断と責任で行ってください。
